厚生労働省の「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」は、令和元年(2019年)8月8日、副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する 報告書をとりまとめ、公表しました。
この検討会は、未来投資戦略2018(平成30年6月15日閣議決定)で「副業・兼業を通じたキャリア形成を促進するため、実効性のある労働時間管理等の在り方に ついて、労働者の健康確保等にも配慮しつつ、労働政策審議会等において検討を進め、速やかに結論を得る。」とされたことなどを踏まえて設置されたものです。
これまでに9回にわたり検討が重ねられてきましたが、その検討の結果が報告書としてとりまとめられました。
報告書では、主に、労働者の健康管理、時間外労働の上限規制、割増賃金という観点から、今後の方向性として考えられる選択肢の例示が整理されています。
例えば、割増賃金については、次のような選択肢が示されています。
①労働者の自己申告を前提に、通算して割増賃金を支払いやすく、かつ時間外労働の抑制効果も期待できる方法を設けること
②各事業主の下で法定労働時間を超えた場合のみ割増賃金の支払いを義務付けること
選択肢①と②では、まったく方向性が違いますね。
企業としては②がわかりやすいですが、それでは労働者の保護に欠けるとして、連合(日本労働組合総連合会)などは批判しています。
厚生労働省は、この報告書を踏まえ、今後、労働政策審議会において引き続き検討を行うこととしていますが、どのような結論が導き出されるのか、動向に注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」の報告書を公表します>
https://www.mhlw.go.jp/content/11201250/000536310.pdf