審議が進む従業員50人以下規模への社会保険の適用拡大
2024年10月から従業員数(厚生年金保険の被保険者数)50人超の企業規模でも、週の所定労働時間が20時間以上等の要件を満たしたパートタイマー等が社会保険に加入することになりました(社会保険の適用拡大)。この企業規模要件の変更について、厚生労働省の社会保障審議会年金部会で審議されています。
年金部会の資料を確認すると「経過措置として設けられた本要件については、労働者の勤め先や働き方、企業の雇い方に中立的な制度を構築する観点から、撤廃することとしてはどうか。併せて、事業所における事務負担や経営への影響、保険者の財政や運営への影響等に留意し、必要な配慮措置や支援策を講じることとしてはどうか。」と提案されており、撤廃へ動いていることがわかります。
また、「年収の壁」への対応策として、従業員が社会保険に加入することで大きな負担と感じる社会保険料について、任意で従業員と事業主との合意に基づき、事業主が被保険者の保険料負担を軽減し、事業主負担の割合を増加させることを認める特例の設定が少しずつ具体化してきています。
実際には更なる審議を経て、来年の通常国会に改正法案が提出されることが予想されますが、実務には大きな影響がある改正になるため、その動向には引き続き注視が必要です。