2025年6月1日から強化が求められる企業の熱中症対策
4月中旬となり、今年も気温が上昇する季節に対し、家庭でも職場でも備えることが必要な時期となりました。
労働安全衛生法および省令では、会社に対し、高温などによる健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならないこととしており、塩や飲料水を備えること等の労働者の熱中症対策を行うことを義務付けています。
このような対策をうちながらも、近年、熱中症による死亡災害があり、労働災害による死亡者数も残っています。また、熱中症による死亡災害のうち、その原因の多くには「初期症状の放置、対応の遅れ」が見られるそうですが、法令上、熱中症による健康障害の疑いがある者の早期発見や重篤化を防ぐための対応については定めはありません。そこで、労働安全衛生規則が改正され、熱中症による健康障害の疑いがある者の早期発見や重篤化を防ぐために必要な対応を取ることが会社に義務付けられました。
具体的には、会社は、熱中症による健康障害を生ずるおそれのある作業を行うときは、異常を早期に発見するため、作業に従事する者が熱中症の自覚症状がある場合や作業に従事する者が熱中症による健康障害を生じた疑いがあることを見つけた場合にその旨を報告させるための体制を整備し、関係者に周知することが求められます。
また、会社は、熱中症による健康障害を生ずるおそれのある作業を行うときは、作業中止、身体冷却、医療機関への搬送等熱中症の症状の重篤化を防ぐために必要な措置の内容及びその実施手順をあらかじめ定め、関係者へ周知する必要があります。
施行は2025年6月1日となっているため、対象となる企業では、早めに対策を講じ、従業員が熱中症にならないように、万が一、なったとしても適切な対応ができるように対応をしていかなければなりません。